ジーコは1992年の「ナビスコ杯」で唾吐き事件を起こした!?
神は細部に宿ると言うが、細部をおろそかにしてサッカーを語っては恬(てん)として恥じないスポーツライターが玉木正之氏である。
長年、玉木正之ウォッチャーをやっているとインフォーマントとして協力する人が出てくる。その方から、またまた玉木正之氏が次のようなトンデモない事実誤認を書いていたという情報をいただいた(引用文は長いので逐一読まなくてよい.赤い太字の部分だけを飛ばし読みでもよい)。
2022年12月18日(日)つづきのつづきのつづきのつづき
アルゼンチンの優勝は1986年メキシコ大会以来36年ぶり。それは地上波でのTV中継もありスタジアムの観客席でウェーヴの起こったことが日本に初めて紹介された大会でしたね。前年〔1985年〕は満員の国立競技場に韓国チームを迎えて日本サッカーが初めてW杯に出場できるか……と騒がれましたね。残念ながら日本は敗れてW杯初出場はできず。一日だけ騒がれてスポーツの話題は阪神タイガース21年ぶりの優勝で日本列島は猛烈なタイガース・フィーバーに揺れてサッカーのことはあっと言う間に忘れられ去られましたね。そのとき甲子園での取材のついでに阪神デパートで買ったバース・チョコレートの包み紙と掛布オレンジジュースの空き缶は今も本棚に飾られています。次にサッカーが騒がれたのは1990年のイタリアW杯でしたがTVゲストの王貞治さんの「野球は手を使いますがサッカーは足を使うんですね」という珍妙なコメントが話題になりました。そして92年ナビスコ杯でジーコが相手のPKボールに唾吐き事件(小生にとってJSL=旧・日本サッカーリーグ=以来のサッカー取材でした)。93年Jリーグ開幕(開幕戦見に行きました)。同年ドーハの悲劇(NHK-BS解説のスタジオの岡ちゃん=岡田武史氏=が目を真っ赤に腫らしてました)。JリーグのTV中継表彰の審査員を3年間やりました〔えッ!?〕。98年のフランスW杯初出場(0勝3敗/小生は3大テナー=ルチアーノ・パヴァロッティ,プラシド・ドミンゴ,ホセ・カレーラス=の取材で渡仏)。2002年の日韓大会ベスト16(ベルギーに勝った試合<1>をリトバルスキーの隣席で取材。北海道でのイングランドvsアルゼンチンの試合と決勝のドイツvsブラジルを見学)。06年ドイツW杯の準備状況をフランクフルト(HSV)で取材。ついでにイタリアのサッカー(インテル)もミラノとトリノで取材。そして……今年は日本がドイツ&スペインに勝利。いろいろありましたね。ローマは一日にしてならず……ですね。カメッシの大会〔ママ〕メッシの大会はいろいろとテレビで見るだけでも見応えのある面白い大会でした。玉木正之「タマキのナンヤラカンヤラ」2022年12月http://www.tamakimasayuki.com/nanyara/bn_2212.htm
それにしても何だ「カメッシ」って!? しょうもないタイプミスである。
玉木正之氏が1992年のJリーグ杯(当時のヤマザキナビスコ杯)を取材して、雑誌にいろいろ書いていたのは当ブログは読んで覚えている(内容は省略)。だが、それ以前に旧JSLを取材していたというのは知らなかった。1980年代の玉木氏は、もっぱら野球専門ライターだったという認識だったので。さて……。
【ダウト!その1】「ジーコ唾吐き事件」(事件のあらましは省略)は、1992年ナビスコ杯ではなくて、1994年1月(年度上は1993年)、Jリーグチャンピオンシップ第2戦のことである。
ナビスコ杯よりも格式がはるかに上で、日本サッカー最高峰のタイトル=Jリーグ本戦の選手権試合だったからこそ、(被害妄想にかられた?)ジーコが「唾吐き」という愚挙に出たのだ。
曖昧な記憶に頼って書くから、こんな間違いをしでかすのだ。
イエデビ【黄色い悪魔】@yelldevi「ふたつのオリンピック」ロバート・ホワイティングのプロレスについての記述「若いレスラーはアメリカへ派遣され、ドイツ人のカール・ゴッチやヴァーン・ゲイジのもとに送り込まれた」これ「バーン・ガニア」だろ。玉木正之しっかり訳せよ調べりゃわかるだろ。日本のプロレス馬鹿にしてるんやろなあ。
2021/02/07 20:20:39
……っていうか、日本サッカー史のこんな重大な事件を間違えるか?
アイントラハト・ハンブルガー!?
【ダウト!その2】「HSV」というならば、フランクフルトではなくてハンブルク(ハンブルガーSV)になるはず。フランクフルトを本拠とするドイツ・ブンデスリーガのサッカークラブと言うならば「アイントラハト・フランクフルト」となる。
どっちが正しいんだか? 「HSV」と言うからには多分ハンブルクの間違いなのだろうが、痩せても枯れてもハンブルガーSVはかつての欧州クラブチャンピオン、名手ウーベ・ゼーラー(ことし天に召されたとのこと.ご冥福をお祈りいたします)が長年活躍した名門クラブだ。
曖昧な記憶に頼って書くから、こんな間違いをしでかすのだ。例えば……。
>1975年、1976年のワールドシリーズを連覇したレッドソックスは……
……などと無邪気に書いてあるのを読んだら、野球ファンやメジャーリーグファンは怒るだろう(正しくは「レッズ」)。それと同じことをやっているのだ。
こういう間違いを、玉木正之氏はきわめてナチュラルにおかすのである。
ウルグアイがサッカーW杯を第1回から2連覇した!?
ウィキペディア程度の事柄をドヤ顔で書くけれども、ウィキペディアも引かずグーグル検索もかけないので、度々にわたってトンデモない事実誤認を書いているのが玉木正之氏なのである。
2020年4月5日(日)
ベッドでの勉強『スポーツの世界史』はアルゼンチン&チリ&ウルグアイ。ウルグアイが何故W杯第1回から2連覇したのかよくわかった。スポーツと政治を切り離せ……と日本では今も言う人がいますがソレは理想論ですらない世迷い言なんですね。玉木正之「タマキのナンヤラカンヤラ」2020年4月http://www.tamakimasayuki.com/nanyara/bn_2004.htm
【ダウト!その3】『スポーツの世界史』は650頁超の浩瀚な著作だが、該当章の執筆者・松尾俊輔東京大学教務補助員は、むろん、そんなことは書いていない。むろん、そんな史実(事実)はない(ちゃんと本読んでいるのか?)。
ウルグアイ代表が、サッカーの世界的大会で連覇したのは、第8回パリ五輪(1924年)、第9回アムステルダム五輪(1928年)、そして、第1回サッカーW杯ウルグアイ大会(1930年)である。ちなみに草創期のサッカーW杯で連覇したのは、第2回イタリア大会(1934年)・第3回フランス大会(1938年)のイタリア代表の方だ。
玉木正之氏は、サッカー・ウルグアイ代表とは奇妙な因縁があり、以前に「ウルグアイは,第1回サッカーW杯で優勝したものの,その後2度と優勝できないでいる」などという呆けた事実誤認を書いていた。むろん、そんな史実(事実)はない。
ウルグアイは、第1回ウルグアイ大会(1930年)と第4回ブラジル来会(1950年)、サッカーW杯で2回優勝している。どうして玉木正之氏は、同じ国(ウルグアイ)のサッカーの実績を、ここまで正反対に間違ったことが書けるのだろうか?
慶應義塾大学では「ア式蹴球部」「ラ式蹴球部」と言う!?
玉木正之氏が個人サイトで事実誤認を連発しているのならまだいい。問題なのは原稿料もらって書いた文章にも間違いがたびたび見られるからだ。
ちょっと教えたいお話Vol.80 スポーツ編(第2回)
だから明治時代初期にフットボールが日本に伝えられたとき、サッカーは「ア式蹴球」と翻訳され、いち早く取り入れた慶應大学には、今も部活動に「ア式蹴球」「ラ式蹴球(ラグビーフットボール)」という名称が残っている。玉木正之「スポーツ(サッカー)を語ることは,世界史や日本史を語ることにもつながる」https://www.forum8.co.jp/topic/tyotto117.htm玉木正之「スポーツ(サッカー)を語ることは,世界史や日本史を語ることにもつながるのだ!」http://www.tamakimasayuki.com/sport/bn_284.htm
【ダウト!その4】元は株式会社フォーラムエイト(FORUM8)というIT企業の公式サイトに載ったコラムだが……何というか、まともなサッカーファン、ラグビーファンならば唖然とするような間違いである。
正しいことを書くと、慶應義塾ではラグビー部を「蹴球部」、サッカー部を「ソッカー部」と呼ぶ。soccerのカタカナ表記が定着していなかった時代の創設なので「ソッカー」である。「ア式蹴球部」を名乗っているのは、早稲田大学の方である。ちなみにラグビー部の方は「ラグビー蹴球部」と名乗っている。
日本でラグビーをいち早く取り入れたのは、たしかに慶應義塾である。だが、日本でサッカーを(事実上)いち早く取り入れたのは慶應義塾ではなく、旧制東京高等師範学校、現在の筑波大学である。慶應で蹴球部といえばラグビーで、筑波で蹴球部といえばサッカーになる。……って、いったい、どちらが正しいトリビアを書いているのだろうか。
玉木正之氏の重用すると企業としての信用を損ねる!?
フォーラムエイトは、ことし2022年に愛知県・岐阜県で開催されたモータースポーツ、WRCラリージャパンの冠スポンサー(FIA世界ラリー選手権 フォーラムエイト・ラリージャパン2022)となるような、超優良企業である。
そのフォーラムエイトは、一方で玉木正之氏に仕事を依頼する玉木氏のタニマチでもある。しかし、玉木正之氏の間違った内容のスポーツコラムを自身の公式サイトに掲載し放置し続けることで、フォーラムエイトは企業としての信頼を損ねている……とも言える。
当ブログは、フォーラムエイトと玉木正之氏にこの間違いを指摘するメールを直接送った。玉木正之氏からは「間違いのご利敵ありがとうございました.フォーラムエイトに依頼して訂正します」旨の返信をいただいた。
しかし、現時点(2022年12月28日)に至るまで、その間違いは訂正されていない。
玉木正之氏の、少なくともサッカーに関する言及は間違いが多いので信用が置けない。同様、玉木正之氏にサッカーを語らせる企業もまた、信用が置けない……。
……と、いうことになってしまうんですが、いいのでしょうか? 株式会社フォーラムエイト様!?
(了)
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