軍隊の小部隊を表す英単語「squad」は、スポーツ用語にも転用されている。<1>
日本のラグビー界では「スコッド」と表記され「ナショナルチームを編成する際,これに先立って代表に選出される可能性の高い者を選抜して編成する選手集団」を指す呼称、すなわち代表候補といった意味である。
また、実際の代表選手の選出にあたっては、代表候補に選ばれていなかった者が選出される場合もあり、これは「スコッド外からの選出」などと表現する。
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JスポーツでサッカーのU-20ワールドカップを見ていたら、実況のアナウンサーがさかんに「スカッド」という耳慣れない単語を使っていた。
これはラグビーで言う「スコッド」のことであった。
日本のサッカー界で言われる「スカッド」とは、ナショナルチームのみならずクラブチームにも使われ、この場合は「出場機会がほとんどない選手なども含めて,チームに登録されている全選手」を指す。
アーセナルのベンゲル監督は「我々には強力なスカッドがある」と頻繁に発言していた。チームの選手層が厚いという意味で「スカッドが深い」と表現するそうである。
日本のサッカーファンは、南野拓実選手の出場機会の少なさを見て、リヴァプールの「スカッドの深さ」を思い知ったわけである。
一説には「スカッド」は、サッカーを題材にしたビデオゲーム「ウイニングイレブン」で使われたあたりから、広まったらしい。
ビデオゲームのクリエイターや、スポーツ専門チャンネル、若手のサッカージャーナリストあたりが、英語のサッカー論壇の文脈にあった「squad」を「スカッド」として使い出したら、実は既にラグビーで「スコッド」が使われていました……ということなのではなかったかと憶測する。
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たびたび当ブログで名前を出している中尾亘孝(なかお・のぶたか)という、最近では良心的なラグビーファンからも全くリスペクトされなくなった下品なラグビー評論家は、よせばいいのに「squad」を「スクォッド」などと表記している。
中尾亘孝(本当の学歴は早稲田大学中退らしい)
中尾亘孝は、スタディアムとかサヴァイヴァルとかモティヴェイションとか極端な原語読み主義なところがあり(正しい発音……ではない)、東南アジアの「ベトナム」に至っては「ヴィエト・ナム」などと表記するような人物である。
笑止。日本国外務省の表記では堂々「ベトナム」である。
そんなことを思っていたら、後藤健生さんが「スクァッド」と表記していて少し驚いた。
- 参照:後藤健生「6月シリーズは〈模擬ワールドカップ〉 4戦目(キリンカップ最終日)で勝ち切れ」(2022年5月23日)https://news.jsports.co.jp/football/article/20190310223015/
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紛らわしいから、どれかに統一した方がいいと思う。
いずれにせよ「スクォッド」とか「スクァッド」では、こなれた日本語にならない。
ちなみにウィキペディア日本語版に立項されているのは「スコッド」である。「スカッド」で引くと中東戦争や湾岸戦争で使用された軍事用ミサイルが出てくる。
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