早稲田大学ラグビー部の復活,サッカー森保ジャパンの失速
 「新国立競技場」で早稲田大学が「大学ラグビー日本一」なんて、あまりにもよく出来た展開である。スポーツの強豪大学ではない「名門大学のスポーツにおける勝利」を欲していたマスコミの皆さんは大喜びだろう。

 当ブログは、日本のフットボールシーンにおいて、サッカーの優勢な時代はラグビーが劣勢で、サッカーが劣勢な時代はラグビーが優勢になる。時代が交互に入れ替わる……などという与太話を書いたことがある。
  • 平尾誠二氏とサッカーとラグビー(2016年10月24日)
 しかし、2019~2020年に至って、ついに日本のフットボールでもサッカーとラグビーが並び立つのではないかと期待していた。

 だが、ここに来て、サッカー日本代表=森保ジャパンの勢いが萎(しお)れてきている。

醜いデザインではフットボールが弱体化する
 森保ジャパンが、にわかに弱体化してきたのは、ちょうど、サッカー日本代表のユニフォームが、これまでさんざん醜いデザインを送り出してきた、かの悪名高きアディダスジャパンが手掛けた、かの醜き「迷彩」になってからのことである。

 今回の直接の担当者は、アディダスジャパンの西脇大樹氏だ。

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」1
【サッカー日本代表「迷彩」ユニフォーム】

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」2
【「迷彩」デザイン担当のアディダスジャパンの西脇大樹氏】

 F1グランプリなど、モーターレーシングの世界では「速いレーシングカーは美しい,遅いレーシングカーは醜い」などと言われる。
  • 【特集:史上最も醜いF1マシン10選(1)】ドライバーが灼熱地獄に苦しんだグラウンドエフェクトカー(2018.02.14)
 それでは、生身の人間がプレーするスポーツ=フットボールの世界はどうか?

 あえて断言する。「醜いデザインをまとったフットボール(サッカー,ラグビー)は弱い」と。森保ジャパンが弱くなったのは、アディダスジャパンの(西脇大樹氏が手掛けた)醜い「迷彩」ユニフォームに変わったから(!?)である。断言する。

スポーツにおけるデザインの「作法」とは?
 どういうことか? 日本ラグビー界の名門=早稲田大学ラグビー部のジャージ(ユニフォーム)が、一時、サッカー日本代表と同様、過剰な思い入れやコンセプト優先の実に醜いデザインであった。しかも、弱かった。
新ジャージに込めた意味
「鎖」早稲田大学ラグビーコンセプト2016
【「鎖」早稲田大学ラグビーコンセプト2016】リンク先

「鎖」ジャージ(早大ラグビー部)2016
【「鎖」ジャージ(早大ラグビー部)2016】リンク先

 早稲田大学ラグビー蹴球部のプライドでもある赤黒のジャージは、ファンの方々に私たちの存在感を示す1つのシンボルでもありますが、今回、世界的に高い評価を得ているデザインオフィス「nendo(ネンド)」〔デザイナー・佐藤オオキ氏=早大OB=が主宰〕のみなさんにデザインをお願いしたことによって、ジャージのデザインは大きく変わりました。
 しかし、見て分かるように、この早稲田ラグビーのデザインは酷い。ラグビーファンの評判も良くなかった。

 さらに言えば、この当時の早稲田大学ラグビー部は弱かった。当時、大学ラグビー選手権を連覇していた帝京大学にはチンチンにやられていた。

 だいたい、世間一般の一流デザイナーに依頼して、ガンバリましたというデザインに限って失敗作である。かつての福岡ダイエー・ホークス、ロンドン五輪のサッカー英国代表なども同様である。

 スポーツのデザインには、スポーツのデザインの「作法」というものがある。あえなく、このデザインを導入した早大ラグビー部の監督は退任することになった。

早稲田大学ラグビー部~デザインの修正と復活
 だが、これを改め、正統なデザインに戻したら、なんと強さが復活した。

 2018年、創部100周年を迎えた早稲田大学ラグビー部は、ジャージのデザインを古典的なスタイルに修正した。
早稲田大学ラグビー蹴球部の新ジャージを作製~創部100周年を記念…
100周年記念ジャージ(早大ラグビー部)2018
【100周年記念ジャージ(早大ラグビー部)2018】リンク先

 アシックスジャパンは、このたび、早稲田大学ラグビー蹴球部が今季の公式試合などで着用するジャージを作製しました。

 今回のジャージは、同部が創部100周年を迎えることから、歴史と伝統に基づいたクラシカルなデザインとしたのが特徴で、エンジ〔海老茶ではないのか?〕と黒のボーダー柄にホワイトの襟を配しています。
 こちらのデザインは概(おおむ)ね好評で、このシーズン、早稲田大学ラグビー部のパフォーマンスや成績も、かなり自尊心を回復するところまで行ったのである。

 そして、次のシーズン、2019年度にラグビー大学選手権で優勝したのは前述のとおり。

 「たかがデザイン」と言うなかれ……で、その良し悪しによってチームのパフォーマンスには深い影響を与える。

 実は、早稲田大学ラグビー部に関して、醜い「鎖」デザインも、クールな創部100周年のクラシカルなデザインも、サプライヤーは同じ「アシックス」なのである。

 やれば、出来るというか、クライアント(例えばJFAでも,Jリーグのクラブでも)が「こうしてください」と言えば、サプライヤーはそれに応える実例がある(少なくともアシックスに関しては)。

 そのことを、日本のフットボールファン(サッカー,ラグビー)は覚えておいていい。

 特に、アディダスジャパンに酷いデザインを押し付けられたサッカー日本代表ナイキジャパンに酷いデザインを押し付けられたサンフレッチェ広島のファンやサポーターは……。

(了)





【参照】
  • アディダスジャパンのサッカー日本代表デザインはなぜ愚劣なのか?(2019年10月24日)