2019年6月29日・30日に開催予定、野球のMLBアメリカ大リーグ英国ロンドン公式戦の前人気は上々と聞く。


 同様のロンドン公式戦は、翌2020年にも開催されるという。そして、これは大リーグ当局による、野球の海外への普及・進出を図る第一歩ということになるとも聞く。


 英国・ヨーロッパの人たちも、初めは、素朴に投げた・打った・走った・捕ったの「ワーワーベースボール」を楽しむだけでもいいだろう。しかし、例えば……。
  1. ダイレクトの打球がそのままファウルゾーンに落ちたら「ファウル」。
  2. グラウンダーの打球が一塁ベースまたは三塁ベースより〈前〉でファウルゾーンに転がっていったら「ファウル」。
  3. グラウンダーの打球が一塁ベースまたは三塁ベースから〈後〉でファウルゾーンに転がっていったら、これは「フェア」でヒット。
 ……平均的日本人男性ならば、野球に関して、以上の事柄の違いを皮膚感覚的に弁(わきま)えている(はずである)。

 だが、平均的ヨーロッパ人は、以上の違いをなかなか呑(の)み込めないようである。特に[2.]と[3.]の何がどう違うのか、いざ教えてくれと言われたら、平均的日本人男性でも意外と説明に窮(きゅう)する。

 野球がマイナーな欧州スペインで、スペイン人の野球選手(男性)が自分のガールフレンドに、くだんのファイルとフェアの違いの説明を試みる。が、そのガールフレンドはなかなか理解できず、イライラして遂には怒り出す……。

 ……という話が、大辻民樹(おおつじ・たみき)氏(放送作家,元高校球児,3年半にわたり欧州スペインの野球リーグでプレー経験あり)の著書『僕は助っ人エース~底抜けスペイン野球に体当たり』(1992年)の中に登場する。


 野球を、本当の意味で国際的に普及をさせるためには、英国・ヨーロッパの人たちが、前掲のファウルとフェアの違いのような、彼(か)の球技の機微(きび)にもっと通じるようにならなければならない。

 英国・ヨーロッパの人たちの野球観が、いつまでも「ワーワーベースボール」のままだったら、MLBのロンドン開催(ヨーロッパ進出)も、エキシビションとしての成功以上ではなかった……という評価になるのではないか。

(この項,了)




つづき
 野球のMLBアメリカ大リーグのヨーロッパ進出(世界戦略)に関して、実はもっと致命的な問題があるのだと思いますが、長くなりますので、また別に論じる機会があるかもしれません。