スポーツライター玉木正之氏の知的誠実さを問う

大化の改新と蹴鞠(けまり)問題など、日本のサッカーカルチャーについてさまざま論じていきたいと思っています。

大化の改新の2人、中大兄皇子と中臣鎌足の出会いは「蹴鞠」だという…。
違う!「あれは蹴鞠ではない」と、スポーツライター玉木正之氏は主張している。
玉木氏は、そのことが現代日本のサッカーや野球にも影響を与えているのだと唱える。
それは一体どういうことなのか? そもそも玉木氏の主張は正しいのだろうか?

西脇大樹さん,おめでとう!
 2019年11月の発表当初、サッカーファンから轟轟たる非難を浴びていた、サッカー日本代表のユニフォーム【迷彩】モデル……。

迷彩柄(サッカー日本代表ユニフォーム2020)
【2019年11月からのサッカー日本代表ユニフォーム】

 ……もとい! サプライヤーのアディダスジャパンに言わせると「日本晴れ(にほんばれ)」モデル*、または「スカイコラージュ」モデルの売れ行きが、あにはからんや! 極めて好調なのだという。
  • 〈日本晴れ〉の日本代表新ユニは大人気! 初動売り上げがW杯モデル以外では過去最高(2020.01.15)
 報道によると、W杯が行われない年のモデルとしては、初動1カ月のユニフォームの売り上げが過去最高を記録(!)。2018年のロシアW杯に向けて発売された「勝色(かちいろ)」モデルの初動で上回っており(!)、これはアディダスとして快挙とのことだ。

サッカー日本代表ユニ2018
【サッカー日本代表ユニフォーム「勝色」モデル】

 一説に、アディダスが直接販売している分だけでも、初動1カ月の売れ行きが前回比250%以上と考えられ、一般からの評価は高いと考えられる。さらには、2020年の東京オリンピックに関わる需要もあるのではないか?

 マーケティングの専門家ではないので、本当のところはよく分からないのだけれど。

 この「報道」は、おそらくアディダスジャパンからのリークなのだろう。しかし、この「一般からの評価は高い」という表現は微妙だ。つまり、「一般」ではない、コアなサッカーファンからの評判はやっぱり悪いのではないか、とも考えられるのだが……。

 とにかく、アディダスジャパンのサッカー開発担当の西脇大樹さん、おめでとう!

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」2
【「迷彩」のプレゼンに臨む西脇大樹氏】

デューダ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」
【転職サイトでインタビュー記事に登場した西脇大樹氏】

 その昔、「♪コアなファンを捨ててでもタイアップでヒット曲が欲しい…」と皮肉って歌ったのは、筋肉少女帯の大槻ケンヂだった。
  • 筋肉少女帯「タイアップ」歌詞(アルバム「UFOと恋人」より)
 つまり、コアなサッカーファンからあれだけ反発を買っても、結局のところ、一般に【迷彩】ユニが商品として売れれば、何の痛痒も感じないのでしょう。きっと。

サンフレッチェ広島「#紫を取り戻せ」問題にも悪影響?
 これでアディダスジャパンはますます調子づいて……、もとい! 自信を深めていくのではないか。

歴代のサッカー日本代表ユニフォーム(「Wikipedia」より)
【歴代のサッカー日本代表のユニフォーム】

 何よりサッカー日本代表のユニフォームのデザインは、大仰なコンセプトを具象化してデザインに盛るトンデモ奇天烈路線が、今後とも継続しそうな気がする。

 アディダスジャパンも、本来のクライアントであるはずの日本サッカー協会(JFA)も、ライト層のサッカーファンも、完全に「薬が回っている」状態だ。

 さらにJリーグ・サンフレッチェ広島のサポーターを悩ませる「#紫を取り戻せ」問題にも悪影響を与えるのではないか?

サンフレッチェ広島2020年アウェイユニフォーム
【サンフレッチェ広島2020年セカンドカラー】

 もっとも、コアサポとライト層の比率が日本代表とは違うから、Jリーグのクラブはまた違うのかもしれないが。

結束の一本線~後藤健生さんの嘆き
 アディダスジャパンのサッカー日本代表のユニフォームのデザインで、トンデモ奇天烈路線が確立したのは、2012年の悪名高き【結束の一本線】モデルである。

結束の一本線_サッカー日本代表
【サッカー日本代表の「結束の一本線」モデル】

 今回、パソコンをいじくっていたら、後藤健生さんが【結束の一本線】モデルの論評している記事をサルベージした。
 そもそも、日本代表のユニフォームがどうしてブルーなのかといえば、元は東京大学(かつての東京帝国大学)のシンボルカラーだった。

 それが、日本代表(全日本選抜)がブルーのユニフォームになった理由だったのだ。

 つまり、本来なら、日本代表のシャツはライトブルーであるべきなのである。

 日本代表のユニフォーム……そう簡単に色調は変えないで、伝統を大事にしてもらいたいのである。

 もう色調の変化はストップしよう!

後藤健生「日本代表ユニフォームのブルーはなぜどんどん濃くなっていくんだろう?」
(2012年01月12日)
 昔からサッカーを見ているファン、コアなサッカーファンほど、アディダスジャパンのサッカー日本代表のデザインには不満を持っているのである。

サッカー文化~イタリアの洗練と日本の野蛮
 【迷彩】モデルの売れ行きを伝える、くだんのアディダスジャパンのリーク報道である)では、海外からの評価も非常に高く、外国人の訪日観光客(インバウンド)の売り上げも多いとの由……。

 ……さはさりながら。このインバウンドの中には、イタリア人やフランス人も含まれるのだろう。イタリア代表、フランス代表ともに、チームカラーは日本と同じ「青」である。

 しかし、イタリアやフランスが、日本みたいな【迷彩】柄にするなどと言われたら、嫌だろう。所詮は、東アジアのサッカー弱小国の代表チームだから「Fackin' Cool!」とかテキトーなことを言っていられるのである。

 例えば、アズーリ=サッカー・イタリア代表のユニフォームを見ていこう。

azzurri1968
【サッカー・イタリア代表1968年】

azzurri1990
【サッカー・イタリア代表1990年】

azzurri2006
【サッカー・イタリア代表2006年】

2019年U20W杯イタリア代表
【サッカー・イタリアU20代表2019年】

 イタリア代表のユニフォームは、いつの時代も見事なまでにイタリア代表としてのアイデンティティ=一貫性を持持っている。

 翻って、日本代表のそれは無節操きわまりない。

 当ブログは、本来「自虐的な日本サッカー観」を揶揄・批判するサイトである。

 しかし、ことデザインに関しては、日本のサッカー文化は浅薄なのではないかと暗澹たる思いになる。

(了)




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早稲田大学のカラーはエンジか? えび茶か?
 「新国立競技場」で早稲田大学が「大学ラグビー日本一」なんて、あまりにもよく出来た話である。スポーツの強豪大学ではない名門大学、なかんずく早稲田大学のスポーツにおける勝利を欲していたマスコミの皆さんは大喜びだろう。

 ところで、あの早稲田大学のスクールカラー(大学のイメージカラー)……。あの黒みを帯びた赤い色は何と言うのか? インターネットを含めたマスメディアで一番多い表記は「臙脂」(エンジ)である。
  • 臙脂色(えんじいろ)
 ラグビーブームだった1986年の文春ナンバーのラグビー早慶戦特集には「臙脂」と表記されてある。(2020年1月15日追記)
  • Sports Graphic Number 160号《「臙脂」と「黒黄」》1986年11月20日発売
 次いで多いのが、臙脂色とよく似た色である「海老茶」(えびちゃ)である。
  • 海老茶(えびちゃ)
 早稲田大学のサッカー部(ア式蹴球部)では、この色を「海老茶」と認識している。例えば、早大サッカー部の新人歓迎の「紅白戦」は、紅組ではなく「海老茶組」と「白組」に分かれて試合をするようである。
 また、早大サッカー部のOBチームは「早稲田大学WMWクラブ」(早稲田マルーン&ホワイト,Waseda Maroon & White)という。英語の「Maroon」という色は、ふつうは「海老茶」、たまに「栗色」と訳される(早大OBのスポーツライター・藤島大氏は栗色としていた)。

 さらに、ネットで「早稲田大学,スクールカラー」でGoogle検索すると「Maroon」と出てくる。……ということは、早大のカラーは「海老茶」で正しいのだろうか?

早稲田カラー=海老茶説に猛烈に反発してきた中尾亘孝
 ところが、これには異論があるらしい。早稲田大学のカラーは、臙脂でも海老茶でもなく、茜色(あかねいろ)だというのだ。
  • 茜色(あかねいろ)
 主張した人は、誰あろう……。「日本ラグビー狂会」を自称する、サッカーが嫌いで嫌いでたまらない偏執的な反サッカー主義者にして、早稲田大学出身(中退らしいが)の、あの中尾亘孝(なかお・のぶたか)である。

中尾亘孝2
【中尾亘孝】(本当の学歴は早大中退らしい)

 彼の言い分をたどっていく。1980年代のラグビーブームの余韻がまだ残っていた1993年11月刊行の『早明ラグビー 神話の崩壊』(マガジンハウス)である。
 極東ローカルの〔ラグビー〕フットボール界には、依然として黴〔かび〕のように誤解がはびこっています。

 有名な「ラグビーはサッカーから生まれた」という語訳は、いまも幅をきかせています。北島忠治から宿沢広朗まで……〔中略〕*

 まったくもってどうでもいい誤解があります。でも、この際だから言ってしまいます。

 ワセダのジャージィ〔ユニフォーム〕を「エンジ」とか「エビ茶」と形容するのもおかしいことです。通称アカクロこと、茜〔あかね〕と黒の横縞ジャージィは早稲田茜という染料で色付けされます。茜とはもちろん紅花〔べにばな〕を原料としています。ところがエンジ色は「臙脂虫」を原料とした染料なのです。エビ茶に至っては言語道断

 現在では、染料はすべて化学的に合成されたものが使われています。したがって、茜という言おうとエンジと呼ぼうと、大した違いはありません〔←それでも海老茶と呼ぶのは言語道断かね,中尾亘孝よ:引用者註〕

 それでも、茜に拘るのがトリヴィアリスト(瑣末=さまつ=主義者)のトリヴィアリストたる所以〔ゆえん〕でしょうか。〔以下略〕

中尾亘孝『早明ラグビー 神話の崩壊』170~171頁


早明ラグビー神話の崩壊
中尾 亘孝
マガジンハウス
1993-11


 余談だが、中尾亘孝の前著『おいしいラグビーのいただきかた』や『15人のハーフ・バックス』が好評だったことを受けてか、『早明ラグビー 神話の崩壊』では少し調子づいており、中尾亘孝の異様な語彙、異様な文体、異様な思想が鼻につく、きわめて不快な読後感である。

 それはともかく、サッカー部が採用している「海老茶」については「言語道断」などと言いきってしまうところが、反サッカー主義者=中尾亘孝の反サッカー主義者たる所以だろうか。

茜色=中尾亘孝説の致命的な間違いとは?
 茜色説の詳しい出典について、中尾亘孝は明らかにしていない。だから、その正否を確かめようがない。

 一方、海老茶説については、かなりハッキリしている。早稲田大学学生部が発行する学生向け週刊広報紙『早稲田ウィークリー』のWEB版がかなり詳しく論じている。
 早稲田大学の色といえばエンジ(えび茶色)。応援部の早稲田の旗に、体育各部のユニホームや、早慶戦のメガホンに、そして早稲田ウィークリーの紙面まで…。

 でも、どうして? 大変な筆まめで知られる本学の初代図書館長・市島謙吉が残した記録・手記でその謎を探ることができた。

 遡ること95年前。1905(明治38)年に安部磯雄を団長とした早稲田大学野球部が、日本初の海外遠征(米国)を行った。その際、新調されたユニフォームは、薄い小豆色の地にえび茶色で「WASEDA」と浮き出させたものであった。

 このユニフォームの文字の色になったえび茶色は、早大チームをコーチしたといわれるメリーフィールド氏の母校、シカゴ大学の校色〔Maroon≒海老茶〕からとったものであったという。この時に、早稲田とえび茶色の結びつきが始まったと言える。〔中略〕

 そして、大隈講堂が竣工された1927(昭和2)年。講堂の舞台には、高島屋よりえび茶色の緞帳が調製された。これに関して市島は再び、手記『雅間録(がかんろく)』八(1927年11月25日の条)に、次のように記載している。

 「この色が校色である。偶然シカゴ大学の校色と同一であるのも一奇だ。此色はマルーンというのだが、早稲田の各科には、紅・白・紫・緑さまざまある。それを交ぜ合わせると、此の海老茶、即ちマルーンの色(えび茶色)になるのである」と。

 このことから、明治末にはまだえび茶と決定していなかったスクールカラーは、大隈講堂竣工の1927年には確定し、周知されていたことが知られる。

早稲田大学探検隊「スクールカラーはなぜエンジ(えび茶色)?」
(2000年頃)
 これに従う限り、早稲田大学のカラーは一義的には「海老茶」と呼ぶのが正しいようだ。「茜色」や「早稲田茜」の話は少しも出て来ない。

 想像だが「東京・早稲田近辺で早稲田茜と称する〈茜草〉が取れて染物が行われていた.そして早稲田大学のラグビー部(やサッカー部?)のジャージも,その茜色で染められていた」……という事実(史実)はあったのかもしれない。

 (仮に,こういった事柄に詳しい人がいるのだとしたら,小林深緑郎氏よりも秋山陽一氏の方になるのか?)

 しかし、ふつうの早稲田大学の関係者はこれを「茜色」ではなく、海老茶でなければ臙脂色として認識していたのではないか。海老茶も、茜色も、臙脂色も、どれも皆似た色であり、カラーコーディネーターみたいな人でもない限り、そんなに拘るものではない。

 ちなみに、中尾亘孝の言うように「茜とはもちろん紅花〔べにばな〕を原料」とするというのは、間違い。茜と紅花は全く別の植物で、紅花から採れる赤系の色は「紅色」(べにいろ)である。昔は現在の山形県で生産が盛んであった。
  • 紅色(べにいろ)
 トリヴィアリスト(瑣末主義者)と本人が言う割には、中尾亘孝はつまらない瑣末な間違いをおかしている。

三木谷浩史さんの大好きなクリムゾン≒臙脂色
 ちなみに、臙脂色(えんじいろ)はどうなったのか?

 中尾亘孝が言う「〈臙脂虫〉を原料とした染料」すなわちエンジ色は、ウィキペディアの日本語版や英語版の記述をそのまま信じればれば、クリムゾン(Crimson)と呼ばれ、日本語では臙脂色(えんじいろ)と訳される。

 クリムゾン(≒臙脂色)は、一橋大学のスクールカラーにして、同校アメリカンフットボール部のニックネームである。また、米国アイビーリーグのハーバード大学のスクールカラーにして、同校アメリカンフットボール部のニックネームである。
  • これが本当のアイビーリーグ〈大学のアメリカンフットボール〉2016年12月12日
 サッカーJリーグ・ヴィッセル神戸、プロ野球NPB・東北楽天ゴールデンイーグルスの会長・三木谷浩史さんは、一橋大学とハーバード大学の両方を卒業している。

 つまり、三木谷さんにとってクリムゾン(≒臙脂色)は大変愛着のある色である。だから、ヴィッセルやゴールデンイーグルスのチームカラーがクリムゾン(≒臙脂色)なのは当然である。

 とまれ、似た色であっても、早稲田大学は海老茶、ヴィッセル神戸や東北楽天ゴールデンイーグルスは臙脂色と呼ぶことが「より」正しい色の呼称ということになる。

以下,余談ながら…チームカラーをないがしろにする人たち
 三木谷浩史さんは、財政難に陥っていたヴィッセル神戸を買収してクラブを救済した人である。しかし、一方、ヴィッセル神戸のそれまでのチームカラー(白と黒の縦縞)を強引にクリムゾン(≒臙脂色)に変更させたという、禍根を残した人でもある。

 例えば、早稲田大学や一橋大学やハーバード大学のスクールカラーを、スポンサー企業の意向で突然「チェリーピンク」(Cherry Pink)にすると……ということは、ほぼありえない。
  • チェリーピンク/Cherry Pink
 同様、紫紺と称されている明治大学のスクールカラーを、スポンサー企業の意向で突然、淡い紫色にする……ということも、ほぼありえない。

 大学関係者やOB・OGの大反対に合うことは必至である。

 ところが、こういう悪習が平然と行われているのが日本のサッカー界であって、なかんずくサッカー日本代表は酷い。最も酷かったのは、2019年11月、藍色から空色(実は「迷彩」)に変更させたアディダスジャパンのモデルチェンジである。

山口智久氏(アディダスジャパン)インタビュー(1)

山口智久氏(アディダスジャパン)インタビュー(2)
【藍色:2019年11月までのサッカー日本代表カラーと担当の山口智久氏】

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」1

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」2
【空色:2019年11月からのサッカー日本代表カラーと担当の西脇大樹氏】

 日本のサッカー界は「チームカラーという文化」が蔑(ないがし)ろにされているのである。酷い国である。

 ここに来て、当代サッカー日本代表「森保ジャパン」の雲行きが怪しくなったのは、ちょうど、アディダスジャパンの西脇大樹氏が担った現行の「迷彩」モデルになってからである。

 スポーツにおけるチームカラーやデザインは、そのチームの勝ち負けにも深く影響する。……今回もまた、そのような強引な結論で落ち着いてしまうのであった。

(了)




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早稲田大学ラグビー部の復活,サッカー森保ジャパンの失速
 「新国立競技場」で早稲田大学が「大学ラグビー日本一」なんて、あまりにもよく出来た展開である。スポーツの強豪大学ではない「名門大学のスポーツにおける勝利」を欲していたマスコミの皆さんは大喜びだろう。

 当ブログは、日本のフットボールシーンにおいて、サッカーの優勢な時代はラグビーが劣勢で、サッカーが劣勢な時代はラグビーが優勢になる。時代が交互に入れ替わる……などという与太話を書いたことがある。
  • 平尾誠二氏とサッカーとラグビー(2016年10月24日)
 しかし、2019~2020年に至って、ついに日本のフットボールでもサッカーとラグビーが並び立つのではないかと期待していた。

 だが、ここに来て、サッカー日本代表=森保ジャパンの勢いが萎(しお)れてきている。

醜いデザインではフットボールが弱体化する
 森保ジャパンが、にわかに弱体化してきたのは、ちょうど、サッカー日本代表のユニフォームが、これまでさんざん醜いデザインを送り出してきた、かの悪名高きアディダスジャパンが手掛けた、かの醜き「迷彩」になってからのことである。

 今回の直接の担当者は、アディダスジャパンの西脇大樹氏だ。

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」1
【サッカー日本代表「迷彩」ユニフォーム】

サカダイ「アディダス西脇大樹氏インタビュー」2
【「迷彩」デザイン担当のアディダスジャパンの西脇大樹氏】

 F1グランプリなど、モーターレーシングの世界では「速いレーシングカーは美しい,遅いレーシングカーは醜い」などと言われる。
  • 【特集:史上最も醜いF1マシン10選(1)】ドライバーが灼熱地獄に苦しんだグラウンドエフェクトカー(2018.02.14)
 それでは、生身の人間がプレーするスポーツ=フットボールの世界はどうか?

 あえて断言する。「醜いデザインをまとったフットボール(サッカー,ラグビー)は弱い」と。森保ジャパンが弱くなったのは、アディダスジャパンの(西脇大樹氏が手掛けた)醜い「迷彩」ユニフォームに変わったから(!?)である。断言する。

スポーツにおけるデザインの「作法」とは?
 どういうことか? 日本ラグビー界の名門=早稲田大学ラグビー部のジャージ(ユニフォーム)が、一時、サッカー日本代表と同様、過剰な思い入れやコンセプト優先の実に醜いデザインであった。しかも、弱かった。
新ジャージに込めた意味
「鎖」早稲田大学ラグビーコンセプト2016
【「鎖」早稲田大学ラグビーコンセプト2016】リンク先

「鎖」ジャージ(早大ラグビー部)2016
【「鎖」ジャージ(早大ラグビー部)2016】リンク先

 早稲田大学ラグビー蹴球部のプライドでもある赤黒のジャージは、ファンの方々に私たちの存在感を示す1つのシンボルでもありますが、今回、世界的に高い評価を得ているデザインオフィス「nendo(ネンド)」〔デザイナー・佐藤オオキ氏=早大OB=が主宰〕のみなさんにデザインをお願いしたことによって、ジャージのデザインは大きく変わりました。
 しかし、見て分かるように、この早稲田ラグビーのデザインは酷い。ラグビーファンの評判も良くなかった。

 さらに言えば、この当時の早稲田大学ラグビー部は弱かった。当時、大学ラグビー選手権を連覇していた帝京大学にはチンチンにやられていた。

 だいたい、世間一般の一流デザイナーに依頼して、ガンバリましたというデザインに限って失敗作である。かつての福岡ダイエー・ホークス、ロンドン五輪のサッカー英国代表なども同様である。

 スポーツのデザインには、スポーツのデザインの「作法」というものがある。あえなく、このデザインを導入した早大ラグビー部の監督は退任することになった。

早稲田大学ラグビー部~デザインの修正と復活
 だが、これを改め、正統なデザインに戻したら、なんと強さが復活した。

 2018年、創部100周年を迎えた早稲田大学ラグビー部は、ジャージのデザインを古典的なスタイルに修正した。
早稲田大学ラグビー蹴球部の新ジャージを作製~創部100周年を記念…
100周年記念ジャージ(早大ラグビー部)2018
【100周年記念ジャージ(早大ラグビー部)2018】リンク先

 アシックスジャパンは、このたび、早稲田大学ラグビー蹴球部が今季の公式試合などで着用するジャージを作製しました。

 今回のジャージは、同部が創部100周年を迎えることから、歴史と伝統に基づいたクラシカルなデザインとしたのが特徴で、エンジ〔海老茶ではないのか?〕と黒のボーダー柄にホワイトの襟を配しています。
 こちらのデザインは概(おおむ)ね好評で、このシーズン、早稲田大学ラグビー部のパフォーマンスや成績も、かなり自尊心を回復するところまで行ったのである。

 そして、次のシーズン、2019年度にラグビー大学選手権で優勝したのは前述のとおり。

 「たかがデザイン」と言うなかれ……で、その良し悪しによってチームのパフォーマンスには深い影響を与える。

 実は、早稲田大学ラグビー部に関して、醜い「鎖」デザインも、クールな創部100周年のクラシカルなデザインも、サプライヤーは同じ「アシックス」なのである。

 やれば、出来るというか、クライアント(例えばJFAでも,Jリーグのクラブでも)が「こうしてください」と言えば、サプライヤーはそれに応える実例がある(少なくともアシックスに関しては)。

 そのことを、日本のフットボールファン(サッカー,ラグビー)は覚えておいていい。

 特に、アディダスジャパンに酷いデザインを押し付けられたサッカー日本代表ナイキジャパンに酷いデザインを押し付けられたサンフレッチェ広島のファンやサポーターは……。

(了)




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